介護職員初任者研修シラバス

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初任者研修シラバス1限を50分授業とする)

1 職務の理解(4008限)

1.多様なサービスの理解(1002限)新名

○介護保険サービス(居宅、施設)、○介護保険外サービス
.介護職の仕事内容や働く現場の理解(3006限)新名

○居宅、施設の多様な働く現場におけるそれぞれの仕事内容

 ○居宅、施設の実際のサービス提供現場の具体的イメージ

(視聴覚教材の活用、現場職員の体験談、サービス事業所に
おける受講者の選択による実習・見学等)

○ケアプランの位置付けに始まるサービスの提供に至るまでの
一連の業務の流れとチームアプローチ・他職種、介護保険外
サービスを含めた地域の社会資源との連携

 

2 介護における尊厳の保持・自立支援(55011)

1.人権と尊厳を支える介護(2505)新名

(1)人権と尊厳の保持

○個人としての尊重、○アドボカシー、
○エンパワメントの視点、○「役割」の実感、
○尊厳のある暮らし、○利用者のプライバシーの保護

(2)ICF

介護分野におけるICF

(3)QOL

○QOLの考え方、○生活の質

(4)ノーマライゼーション

ノーマライゼーションの考え方

(5)虐待防止・身体拘束禁止

○身体拘束禁止、○高齢者虐待防止法、○高齢者の養護者支援

(6)個人の権利を守る制度の概要

○個人情報保護法、○成年後見制度、○日常生活自立支援事業

2.自立に向けた介護(3006)新名

(1)自立支援

○自立・自律支援、○残存能力の活用、○動機の欲求、
○意欲を高める支援、○個別性/個別ケア、○重度化防止

(2)介護予防

介護予防の考え方

3 介護の基本(4008限)

 

 

1.介護職の役割、専門性と多職種との連携(1503)杉田

(1)介護環境の特徴の理解 

  ○訪問介護と施設介護サービスの違い、
  ○地域包括ケアの方向性

(2)介護の専門性

○重度化防止・遅延化の視点、○利用者主体の支援姿勢、
○自立した生活を支えるための援助、○根拠のある介護、
○チームケアの重要性、○事業所内のチーム、
○多職種から成るチーム

(3)介護に関する職種

○異なる専門性を持つ多職種の理解、○介護支援専門員、
○サービス提供責任者、○看護師等とチームとなり利用者を
支える意味、○互いの専門職能力を活用した効果的な
サービスの提供、○チームケアにおける役割分担

2.介護職の職業倫理(501)佐々木

  職業倫理

○専門職の倫理の意義、○介護の倫理(介護福祉士の倫理と
介護福祉士制度等)、
○介護職としての社会的責任、○プライバシーの保護・尊重

3.介護における安全の確保とリスクマネジメント(1002限)
                    杉田

(1)介護における安全の確保

○事故に結びつく要因を探り対応していく技術、
○リスクとハザード

(2)事故予防、安全対策

○リスクマネジメント、○分析の手法と視点、
○事故に至った経緯の報告(家族への報告、市町への報告等)
○情報の共有

(3)感染対策

○感染の原因と経路(感染源の排除、感染経路の遮断)、
○「感染」に対する正しい知識

4.介護職の安全(1002限)高岡

介護職の心身の健康管理

○介護職の健康管理が介護の質に影響、
○ストレスマネジメント、○腰痛の予防に関する知識、
○手洗い・うがいの励行、
○手洗いの基本、○感染症対策

4 介護・福祉サービスの理解と医療との連携(550分11限)

1.介護保健制度(3006)新名

(1)介護保険制度創設の背景及び目的、動向

○ケアマネジメント、○予防重視型システムへの転換、
○地域包括支援センターの設置、○地域包括ケアシステムの
推進

(2)仕組みの基礎的理解

○保険制度としての基本的仕組み、○介護給付と種類、
○予防給付、○要介護認定の手順

(3)制度を支える財源、組織、団体の機能と役割

○財政負担、○指定介護サービス事業者の指定

2.医療との連携とリハビリテーション(1503)日高

○医行為と介護、○訪問看護、○施設における看護と介護の
役割・連携、

○リハビリテーションの理念

3.障害者総合支援制度およびその他制度(2004)新名

(1)障害者福祉制度の理念

○障害の概念、○ICF(国際生活機能分類)

(2)障害者総合支援制度の仕組みの基礎的理解

○介護給付・訓練等給付の申請から支給決定まで

(3)個人の権利を守る制度の概要

○個人情報保護法、○成年後見制度、○日常生活自立支援事業

 

5 介護におけるコミュニケーション技術(3609限)

(内

 

 

1.介護におけるコミュニケーション(1503限)新家

(1)介護におけるコミュニケーションの意義、目的、役割

○相手のコミュニケーション能力に対する理解や配慮、
○傾聴、○共感の応答

(2)コミュニケーションの技法、道具を用いた言語的
コミュニケーション

○言語的コミュニケーションの特徴、
○非言語コミュニケーションの特徴

(3)利用者・家族とのコミュニケーションの実際

○利用者の思いを把握する、○意欲低下の要因を考える、
○利用者の感情に共感する、○家族の心理的理解、
○家族へのいたわりと励まし、○信頼関係の形成、
○自分の価値観で家族の意向を判断し非難することがない
ようにする、
○アセスメントの手法とニーズとデマンドの違い

(4)利用者の状況・状況に応じたコミュニケーション技術の実際

○視力、聴力の障害に応じたコミュニケーション技術、
○失語症に応じたコミュニケーション技術、
○構音障害に応じたコミュニケーション技術、

○認知症に応じたコミュニケーション技術

2.介護におけるチームのコミュニケーション新家
(3003限学科・3限演習)

(1)記録における情報の共有化

○介護における記録の意義・目的、利用者の状態を踏まえた
観察と記録、

○介護に関する記録の種類、○個別援助計画書
(訪問・通所・入所・福祉用具貸与等)
○ヒヤリハット報告書、○5W1H

(2)報告

○報告の留意点、○連絡の留意点、○相談の留意点

(3)コミュニケーションを促す環境

○会議、○情報共有の場、○役割の認識の場(利用者と頻回に
接触する介護者に求められる観察眼)、○ケアカンファレンス
の重要性

6 老化の理解(4008限)

1.老化に伴うこころとからだの変化と日常(2505)

(1)老年期の発達と老化に伴う心身の変化の特徴

○防衛反応(反射)の変化、○喪失体験

(2)老化に伴う心身の機能の変化と日常生活への影響

○身体的機能の変化と日常生活への影響、○咀嚼機能の低下
○筋・骨・関節の変化、○体温維持機能の変化、
○精神的機能の変化と日常生活への影響

2.高齢者と健康(1503)日高

(1)高齢者の疾病と生活上の留意点

○骨折、○筋力の低下と動き・姿勢の変化、○関節痛

(2)高齢者に多い病気とその日常生活上の留意点

○循環器障害(脳梗塞、脳出血、虚血性心疾患)、
○循環器障害の危険因子と対策、
○老年期うつ病症状(強い不安感、焦燥感を背景に、
「訴え」の多さが全面に出る、うつ病性仮性認知症)、
○誤嚥性肺炎、○病状の小さな変化に気付く視点、
○高齢者は感染症にかかりやすい

7 認知症の理解(4008限)

 

 

 

認知症を取り巻く状況(1002)田中

認知症ケアの理念

○パーソンセンタードケア、○認知症ケアの視点(できること
に着目する)

医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理(1002限)日高

認知症の概念、認知症の原因疾患とその病態、原因疾患別ケアの
ポイント、健康管理

○認知症の定義、○もの忘れとの違い、○せん妄の症状、
○健康管理(脱水・便秘・低栄養・低運動の防止、口腔ケア)、
○治療、○薬物療法、○認知症に使用される薬

認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活(1503)田中

(1)認知症の人の生活障害、心理・行動の特徴

○認知症の中核症状、○認知症の行動・心理症状(BPSD)、○不適切なケア、○生活環境で改善

(2)認知症の利用者への対応

○本人の気持ちを推察する、○プライドを傷つけない、
○相手の世界に合わせる、○失敗しないような状況をつくる
○すべての援助行為がコミュニケーションであると考える
○身体を通したコミュニケーション、○相手の様子・表情・
視線・姿勢などから気持ちを洞察する、○認知症の進行に
合わせたケア

家族への支援(50分1限)田中

○認知症の受容過程での援助、○介護負担の軽減
(レスパイトケア)

8 障害の理解(200分 4限)

 

 

1.障害の基礎的理解(501)日高

(1)障害の概念とICF

○ICFの分類と医学的分類、○ICFの考え方

(2)障害者福祉の基本理念

○ノーマライゼーションの概念

2.障害の医学的側面、生活障害、心理・行動の特徴、かかわり
支援等の基礎的知識(1002)日高

(1)身体障害

○視覚障害、○聴覚、平衡障害、○音声・言語・咀嚼障害、
○肢体不自由、○内部障害

(2)知的障害

○知的障害

(3)精神障害(高次脳機能障害・発達障害を含む)

○統合失調症・気分(感情障害)・依存症などの精神疾患、
○高次脳機能障害、○広汎性発達障害・学習障害・
注意欠陥多動性障害などの発達障害

(4)その他の心

3.家族の心理、かかわり支援の理解(501限)日高

家族への支援

○障害の理解・障害の受容支援、○介護負担の軽減

 

9 こころとからだのしくみと生活支援技術

 

 

Ⅰ 基本知識の学習 …(60012限)

(1) 介護の基本的な考え方(2505限)杉田

○倫理に基づく介護(ICFの視点に基づく生活支援、
我流介護の排除)、

○法的根拠に基づく介護

(2) 介護に関するこころのしくみの基礎的理解(3006)杉田

○学習と記憶の基礎知識、○感情と意欲の基礎知識、
○自己概念と生きがい、○老化や障害を受け入れる適応行動と
その阻害要因、○こころの持ち方が行動に与える影響、
○からだの状態がこころに与える影響

(3) 介護に関するからだのしくみの基礎的理解(501)杉田

○人体の各部の名称と動きに関する基礎知識、○骨・関節・
筋に関する基礎知識、ボディメカニクスの活用、
○中枢神経系と体性神経に関する基礎知識、
○自律神経と内部器官に関する基礎知識、
○こころとからだを一体的に捉える、
○利用者の様子の普段との違いに気づく視点

 

Ⅱ 生活支援技術の学習 …(330066限杉田

(4)生活と家事(300分学科3限・実技3限)

家事と生活の理解、家事援助に関する基礎的知識と生活支援

○生活歴、○自立支援、○予防的な対応、
○主体性・能動性を引き出す、

○多様な生活習慣、○価値観

(5)快適な居住環境整備と介護(300分学科3限・実技3限)

快適な居住環境に関する基礎知識、高齢者・障害者特有の
居住環境整備と福祉用具に関する留意点と支援方法

○家庭内に多い事故、○バリアフリー、○住宅改修、
○福祉用具貸与

(6)整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護(600分学科3限・実技9)

整容に関する基礎知識、整容の支援技術

○身体状況に合わせた衣服の選択、着脱、○身じたく、
○整容行動、○洗面の意義・効果

(7)移動・移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
(600
分学科3限・実技9)

移動・移乗に関する基礎知識、さまざまな移動・移乗に関する
用具とその活用方法、利用者、介助者にとって負担の少ない
移動・移乗を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
、移動と社会参加の留意点と支援

○利用者と介護者の双方が安全で安楽な方法、
○利用者の自然な動きの活用、○残存能力の活用・自立支援、
○重心・重力の働きの理解、○ボディメカニクスの基本原理、
○移乗介助の具体的な方法(車いすへの移乗の具体的な方法、
全面介助でのベッド・車いす間の移乗、全面介助での車いす・
洋式トイレ間の移乗)、○移動介助(車いす・歩行器・つえ等)、○褥瘡予防

  高齢者に関する内容に特化せず、視覚障害者や肢体不
自由者等の障害特性を踏まえた内容も併せて教授すること。

(8) 食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
300分学科3限・実技3限)

食事に関する基礎知識、食事環境の整備・食事に関連した用具
・食器の活用方法と食事形態とからだのしくみ、楽しい食事を
阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法、食事と社会
参加の留意点と支援

○食事をする意味、○食事のケアに対する介護者の意識、
○低栄養の弊害、○脱水の弊害、○食事と姿勢、○咀嚼・
嚥下のメカニズム、○空腹感、○満腹感、○好み、
○食事の環境整備(時間・場所等)、○食事に関した
福祉用具の活用と介助方法、○口腔ケアの定義、
○誤嚥性肺炎の予防

(9) 入浴、清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
(500
分学科3限実技7限)

入浴、清潔保持に関連した基礎知識、さまざまな入浴用具と
整容用具の活用方法、楽しい入浴を阻害するこころとからだ
の要因の理解と支援方法

○羞恥心や遠慮への配慮、○体調の確認、○全身清拭
(身体状況の確認、室内環境の調整、使用物品の準備と
使用方法、全身の拭き方、身体の支え方)、
○目・鼻腔・耳・爪の清潔方法、
○陰部清浄(臥床状態での方法)、○足浴・手浴・洗髪

(10) 排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
(500
分学科3限実技7限)

排泄に関する基礎知識、さまざまな排泄環境整備と排泄用具の
活用方法、爽快な排泄を阻害するこころとからだの要因の理解
と支援方法

○排泄とは、○身体面(生理面)での意味、○心理面での意味
、○社会的な意味、○プライド・羞恥心、
○プライバシーの確保、○おむつは最後の手段/おむつ使用の
弊害、○排泄障害が日常生活上に及ぼす影響、○排泄ケアを受
けることで生じる心理的な負担・尊厳や生きる意欲との関連、
○一部介助を要する利用者のトイレ介助の具体的方法、
○便秘の予防(水分の摂取量保持、食事内容の工夫/繊維質の
食事を多く取り入れる、腹部マッサージ)

(11) 睡眠に関したこころとからだのしくみと自立に向けた介護(150分学科3)

睡眠に関する基礎知識、さまざまな睡眠環境と用具の活用方法
、快い睡眠を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法

○安眠のための介護の工夫、○環境の整備(温度や湿度、光、
音、よく眠るための寝室)、○安楽な姿勢・褥蒼予防

(12) 死にゆく人に関したこころとからだのしくみと終末期介護 (150分学科3)

終末期に関する基礎知識とこころとからだのしくみ、生から
死への過程、「死」に向き合うこころの理解、苦痛の少ない死
への支援

○終末期ケアとは、○高齢者の死に至る過程(高齢者の自然死
(老衰)、癌死)、○臨終が近づいたときの兆候と介護、
○介護従事者の基本的態度、○多職種間の

Ⅲ 生活支援技術演習 …(60010限)

(13) 介護過程の基礎的理解(300分演習6限)新家

○介護過程の目的・意義・展開、○介護過程とチーム
アプローチ

(14) 総合生活支援技術演習(300分演習6限)新家

(事例による展開)

生活の各場面での介護については、ある状態像の利用者を
想定し、一連の生活支援を提供する流れの理解と技術の習得、
利用者の心身の状況にあわせた介護を提供する視点の習得を
目指す。

 

10 振り返り(2505限)

 

 

1.振り返り(1503限)乾

○研修を通して学んだこと

○今後継続して学ぶべきこと

○根拠に基づく介護についての要点(利用者の状態像に応じた
介護と介護過程、身体・心理・社会面を総合的に理解するため
の知識の重要性、チームアプローチの重要性等)

2.就業への備えと研修修了後における継続的な研修(1002)
                           乾

○継続的に学ぶべきこと、○研修終了後における継続的な研修
について、具体的にイメージできるような事業所等における
実例(Off―JT,OJT)を紹介